タイムマシンは可能か?

時間の流れはあらゆる場所で一定であるという認識が一般的であった中、1905年にアインシュタインが「時間の流れは、運動速度によって、早くなったり遅くなったりしうる」ということを「特殊相対性理論」によって明らかにしています。

となると、SF映画などで出てくるタイムマシンの実現が可能か?という話になります。

物理法則として実現性を否定していないこと、現在のテクノロジーを超越するという前提であれば、タイムマシンは実現可能になります。

ご存知かもしれませんが、「ブラックホール」のそばにしばらく滞在し、そこから離れることで未来旅行が可能になります。

これは、アインシュタインの一般相対性理論によるところで、「重い天体のそばでは、時間の流れが遅くなる」ことがわかっています。

通常の天体では、効果は微々たるのもで、高密度(1mあたり数億トン)の中性子星でも地球の4/5程度の時間の進み方にしかなりません。

ちなみに中性子星の重力は地球の10000億倍以上あると言われています。このような天体ですら時間の進み方のインパクトは小さいのです。

そこで出てくるのが、ブラックホールです。ブラックホールは太陽の約20倍以上の質量の恒星が生涯の最期に大爆発した後に残される天体です。

この恒星の中心部は自らの重力で限りなく縮んでいき、「特異点」と呼ばれる1点につぶれてしまいます。

特異点の周囲には強力な重力による影響で、いったん飲み込まれると、光を含めてあらゆるものが脱出できなくなる領域が生じます。

この領域がブラックホールと呼ばれています。

さて、ブラックホールではどのくらい時間の進みが遅いのでしょうか。

中心部からその半径の1.3倍の場所では、時間の進みは地球の1/2になると言われています。

ということは、地球で6時間経過していても、ブラックホールでは3時間が経過したということになります。

よって、ブラックホールにしばらく滞在して、その場から離れれば、タイムマシン並の時間旅行が可能になります。

ただし、これを実現するには、無事にブラックホールから抜け出せなければなりません。

この恒星質量級のブラックホールでは、近づくと潮汐力が働き、物体は引き裂かれてしまいます。人体で言うと、足からブラックホールに入ると、足の方が重力が強く、頭の方が重力が弱いため、上下に引っ張られるようになります。

タイムマシンを実現するには、この潮汐力がない銀河の中心にあるような超大質量のブラックホールに向かわないけません。

一方、ブラックホール(太陽対比で約400万倍の質量)は、もっとも近くで約2万8000光年も遠方にあるため、光の速度で進んでも2万8000年かかるのです。遠いですね〜。

人間の寿命を超越しているため、タイムマシン実現のため、ブラックホールを頼る場合は、そこに短時間でいくための方法が求められます。

というように、物理的に実現可能ではないため、ロマンある話になりますね。

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