論点のすりかえ

もっともらしく聞こえるけれども、実際には誤った論理展開を用いる主張を詭弁と言います。

この論理のすりかえが起きると、意図が噛み合わず、不当に相手を攻撃することにもつながります。

詭弁についてみてみましょう。

具体例として、以下の会話を考えてみます。

Aさん「車通りもあるし、子供が屋外で遊ぶのを禁止すべきだと思う」

Bさん「先の発言で、子供が屋外で遊ぶのを禁止すべきだというが、反対です。理由は、外遊びは子供の発達に良い影響があるからです。それに、子供を家に閉じ込めておくのはかわいそうに思いませんか?」

Bさんの話はおかしいですよね。

Aさんは子供が屋外で遊ぶのが危険か否かという論点で話をしています。

ところが、Bさんは、子供が屋外で遊ぶことを禁止すべきかという点について意見を言っています。

Aさんの元の主張から論点がずれてしまっています。

ここでは、Bさんは、「危険な場所で子供を遊ばせないためにどのようにすべきか」、「子供が屋外で安全に遊べるようにする方法はあるか」という意見が求められます。

このBさんのように発言は「藁人形論法」と言います。

相手の主張を歪めて解釈し、攻撃できるようなことです。

ここでの藁人形とは、相手の主張を歪めて作り出した攻撃しやすい架空の主張を指します。

また、詭弁は藁人形論法に限らず他にもあります。

「お前だって論法」、「トーンポリシング」、「権威に訴える論証」、「ご飯論法」、etc….

お前だって論法」は相手の落ち度を逆手に取り、論点をそらす方法です。お前だってこの前約束破っただろ。。。などと言い、自分を正当化しようとすることなどです。

トーンポリシング」は相手の話す声のボリュームや口調について指摘をし、主張の中身から論点をずらす方法です。主張の妥当性より主張方法が適切か?にすり替わることを言います。

権威に訴える論証」は権威のある人の行いは正しい、結果は妥当だという、その人の主張の正しさではなく、いかに優れているかという論点になることを言います。

ご飯論法」は質問に対し嘘の回答はしていないが、はぐらかした内容で話すことを言います。朝ご飯は食べたか?という質問にご飯は食べていないと回答したとしても、その人がパンを食べていてもライスを食べていなければ、嘘にはなりません。相手の追及を逸らすための詭弁になります。

というように、この他にも詭弁は多くあります。これはほんの一部です。

個人的にもですが、相手の主張を正しく理解し、時には意図を聞き直すなどして、建設的な話ができるように努めなければなりませんね。

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